第14回大使レター
平成28年2月8日皆様ご健勝のことと存じます。今年は,ポーランドにおいてNATO首脳会合,世界青年の日等の重要行事が行われる年ですが,日本外交にとっても極めて重要な年です。私のお届けする最後の大使レターとなる今回は今年の日本外交のハイライトをご報告します。
1 G7議長国
我が国は,本年G7議長国を務めており,5月に8年ぶりに「伊勢志摩サミット」を主催します。サミットの舞台となる伊勢志摩には,悠久の歴史を紡いできた伊勢神宮,そして眼の前に広がる豊かな海,大小の島々や多くの入江など,美しい自然があり,正に日本の「ふるさと」と言える場所です。現在,国際社会は,世界経済の成長の鈍化,人命を脅かすテロ,難民の発生,力による一方的な現状変更等の課題に直面しています。自由,民主主義,法の支配,人権といった基本的価値を共有するG7は,これらの課題に,グローバルな視点で,将来を見据えながら,解決に向けた最も適切な道筋を示さなければなりません。
2 国連安保理非常任理事国
我が国は,本年より2年間,国連安保理にて,国連加盟国中最多となる11回目の非常任理事国を務めます。本年初めの北朝鮮による核実験の実施など,国際社会の安全保障課題が山積する中,我が国は国連安保理にて積極的な役割を果たしてまいります。
3 日中韓サミット議長国
我が国は本年,日中韓サミットの議長国でもあります。日本が議長国として主催するサミットで,地域の平和と安定につながる具体的な成果が上がるよう取り組んでいきます。
4 第6回アフリカ開発会議
本年は,我が国が主導している第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)を初めてアフリカで開催する年でもあります。官民が連携し,アフリカとのパートナーシップを更に強固にしていきます。
最後になりますが,このたび,駐ポーランド日本国特命全権大使としての任期を終え,帰国することとなりました。ポーランドには4年4ヶ月の長きにわたり勤務いたしました。その間,日本とポーランドとの関係は,政治,経済,文化など広範な分野で大きく進展をいたしました。大使として,達成感をもってこの国での仕事を振り返っています。この機会に,在勤中に賜りましたご厚情とご支援に心から感謝申し上げます。ポーランドでの素晴らしい想い出と感謝の気持ちを胸に抱いて,帰国いたします。帰国後も,ポーランドと日本の友好協力関係の一層の促進のため微力を尽くして参りたいと考えております。
皆様のご健康とご発展をお祈り申し上げます。
駐ポーランド日本国大使
山中 誠