領事・医療・治安
若者による邦人殴打事件の発生について
7月某日夕刻、ワルシャワ市内中心部の路上において、通行中の在留邦人が、同じく通行中のポーランド人とみられる若者から“通り魔”的に暴行を受ける事件が発生しました。幸いにも、金銭の被害はなく、通院に至らない程度のケガですみました。
物盗りの可能性は低く、“愉快犯”の可能性が高いとみられます。愉快犯の場合、暴力行為そのものが目的となりますが、衝動的に犯行に及ぶことが多く、事前の予測・予防が困難です。
邦人の皆様が同様の被害に遭わないよう、特徴点等を説明させていただきますので、参考にしてください。
ちなみに、ポーランドでは、外国人排斥や人種差別を標ぼうする団体・個人(いわゆる極右“スキンヘッド・グループ”)の活動は低調とみられています。
<概要>
- 午後7時前、ワルシャワ市内中心部の人通り・通行量の多い交差点で発生。時間は午後7時前で、まだ明るい時間帯
- ポーランド人とみられる若者グループ6~7人(14~15歳くらい)のうちの一人が、通りすがりに邦人の腕を殴打し、そのまま歩き去る。犯人の身なりは良く、外見はごく普通の若者
- 邦人のケガの程度は軽く、金銭等の被害なし
<特徴点とアドバイス>
- カバン等を奪う様子もなく、犯人の服装も良かったことから、いわゆる“カネ目的の犯行”ではなく、暴行自体が目的の愉快犯とみられます。被害に遭った邦人は、常日頃から“旅行者然”とした格好をしないよう心がけていました。
- この種の通り魔的な犯罪は、金銭目的のような“計画性”がなく、犯人の衝動によって実行されることが多いのが特徴です。「おもしろそうだったから」という短絡的な動機も見受けられます。人通りの多い場所であっても犯行に及ぶことがあります。
- ただし、犯人は、衝動的に犯行に及んだとしても、「標的が自分より強い人間かどうか」(反撃を受ける可能性があるか)を瞬時に計算しており、自分(のグループ)より物理的に強そうな存在に対しては手を出しません。そのため、女性、老人、子供が標的となります。また、男性であっても一人歩き、少人数のグループの場合は油断してはいけません。