時は江戸時代。大阪で「てれすこ」と呼ばれる不思議な生き物が捕獲され、国中の人の話題となる。江戸では、人気の花魁・お喜乃が遊郭を出し抜けることを望み、自分に惚れているお人よしの職人・弥次さんに頼る。逃亡計画を立てる最中に、弥次さんの幼馴染の喜多さんが突然現れる。喜多さんは二流の歌舞伎役者で、芝居中にヘマをしてクビになってから生きる気力をなくしている。こうして出会った3人は江戸を発ち、冒険に満ちた旅に出る。
本映画は、魅力的な時代の日本とその住民の生活を鮮やかに描写している。弥次さん役を、映画出演も手がける有名な歌舞伎役者・十八代目中村勘三郎(本名:波野 哲明)が務める。中村氏は多大な人気を博し、「のりちゃん」の愛称でファンに親しまれる人物であった。2012年12月5日に肺癌で57歳で死亡し、ファンたちを大いに悲しませた。