6月11-12日にかけて、ワルシャワのヴィシンスキ枢機卿大学にて、当館後援による杉原千畝「諸国民の正義の人」認定30周年を記念し、杉原千畝の功績及びその時代のユダヤ人のおかれた歴史に関する学会が開催されました。また、11日夜には、ワルシャワ市内にあるシナゴーグにおいて、当館共催による、杉原千畝から査証を受け命を救われた方及びそのご子息を招き、それぞれの家族が歩んだ足跡についての話を聞く会が開催され、当館からは松本参事官がそれぞれの機会に開会の挨拶をしました。
生存者の一人であり、ワルシャワ出身で当時7歳であったニナ・アドモニ女史は、杉原千畝から受けた査証をたよりに一家でカウナスからユーラシア大陸を横断して日本にたどりついた思い出について語り、同じく査証を受けた後両親が移住した南アフリカで生まれたエリカ・ミチヂス女史は、両親から譲り受けた査証のコピーを聴衆に見せつつ、救われた命の重さについて話し 、ウッチ出身の両親が査証を受けて命が救われたオーストラリア在住のアンドリュー・ヤクボヴィッチ氏は、自らの家族及び他の杉原から受けた査証によって救われた家族について紹介しました。同会では、12月に日本で公開予定の映画「杉原千畝」の予告版の放映も行いました。
杉原千畝:リトアニアにあった在カウナス日本国総領事館で副領事をしていた杉原千畝は、第二次世界大戦中に、ナチス・ドイツの侵攻から逃れてきた主にポーランド系ユダヤ人に対し日本への通過査証を発行することで、約6千名の命を救った。その功績が認められ、1985年 「諸国民の正義の人」として「ヤド・バシェム賞」を受賞しました。