大使挨拶
日ポーランド国交樹立90周年記念式典における田邊大使挨拶
(2009年3月23日15:00~ 於 外務省迎賓館)
シコルスキ外務大臣、
ご列席の皆様、
1.日ポーランド国交樹立90周年を記念した両国首相、外相間の記念書簡交換に際して、今回の式典を開催頂いたことについてシコルスキ外相をはじめポーランド政府の皆様のご協力に心から感謝します。また、本式典に多くの方々にご出席頂き、感謝いたします。
2.1919年3月、日本政府は、独立ポーランド国家とイグナツィ・パデレフスキ政府を承認し、外交関係が樹立しました。
3.1919年の国交樹立から現在までの日ポーランド関係は、一言で言えば、まさに「善意と友好の歴史」であると言えます。ポーランドのシベリア孤児の日本による救出、ゼノ・ゼブロフスキ修道士による日本の孤児などへの献身的な慈善活動、阪神淡路大震災による日本の被災児のポーランドへの招待など多くの具体例が存在します。そのような善意と友好の歴史は、両国関係の発展にとり貴重な財産であり、強固な土台であります。
4.本年は、ポーランドにとり歴史的な円卓会議による体制転換から20年、NATO加盟10年、EU加盟5年という重要な節目の年です。日本は、ポーランドの民主化、市場経済化を当初から支持、協力してきました。そして今日、日本とポーランドは、民主主義、市場経済、人権などの基本的価値を共有しております。
5.この20年の間に両国関係は、信じられないほど緊密なものとなりました。ポーランド進出日系企業数が230以上に増加し、そのうち70が製造工場であります。ポーランドは、欧州の新しい「製造センター」となり、最近ではホンダがロジスティクスセンターの建設を発表したように、ロジスティクスの拠点としても発展しつつあります。貿易、在留邦人数、また観光客も増加の一途をたどっています。両国民のお互いの文化に対する関心も深まりつつあります。
6.このような緊密化する両国関係は、昨年10月のシコルスキ外相、また12月のカチンスキ大統領の訪日によって更に強化されています。この訪問により、両国は伝統的に友好的な両国関係をあらゆる分野で強化し、世界の安定と繁栄のため、緊密に協力していくことが確認されました。
7.皆様、現在、世界はこれまでに例のない危機の中にあります。このような危機の中で、日本とEU、日本とポーランドのより緊密な協力が世界の安定と発展のために不可欠であります。欧州における日本と、EUやNATOの中で存在感を高めるポーランドの関係は、いまや世界の中の日ポの戦略的関係と新たに定義づける必要があります。
8.今回交換される両国首相間及び外相間の記念書簡は、両国及び両国国民の長い友好親善関係を回顧しつつ、このような未来に向けた我々の責任と役割を踏まえた戦略的な協力関係の展開に新たな決意で臨むものであります。
9.最後に、ポーランド及びポーランド国民の益々の発展と両国関係の一層の発展を祈念して、私の挨拶とさせていただきます。