領事・医療
(第2報:鶏肉や鶏卵の安全性につきまして)
鳥インフルエンザにつきまして、鶏肉の安全性についてのお問い合わせが何軒かありましたので、今までにわかっている情報に基づき説明させていただきます。
先週末、タイで発生した父子の感染例(父親は死亡)の感染原因が、感染した鶏を食べたためと一部メディアで報道されましたが、WHO(世界保健機構)の発表ではそのようなことは報告されておりません。
鳥インフルエンザの感染原因は、感染した鳥との日常的あるいは密接な接触、特に糞や内臓に接触した場合が多いとされており、この感染した父子の場合も鶏の屠殺作業に従事しており、感染した鳥との密接な接触が感染原因であると考えられています。
今までのところ、食品としての鳥類(鶏肉や鶏卵)を食べたことによって、ヒトが感染した例は世界的に報告がありません。
昨年3月に発表された「鶏肉・鶏卵の安全性に関する食品安全委員会の考え方」[PDF]が下記のサイトからダウンロード出来ますので、是非ご一読下さい。
http://www.fsc.go.jp/sonota/avian_influenza170627.html
安全であるとする根拠としては
1. 鳥インフルエンザウイルスは酸に弱く、胃酸で死滅する。
2. ヒトの細胞に入り込むための受容体が、トリのものとは異なるため。
3. 鳥インフルエンザウイルスは熱に弱く、通常の調理温度で簡単に死滅する。(中心部が70℃に達する加熱が勧められています。)
第1報でお伝えしましたように、膨大な数のトリの感染数に比べ、ヒトの感染例は世界で約120例と極めて少ないこと。感染例の多くが、感染した鳥と密接に接触する環境にあったことから考えて、新種のインフルエンザウイルスが発生する場合を除いて、都市部で鳥インフルエンザのヒトへの感染が大流行する可能性は極めて低いと思われます。
現在当国では、マスコミの影響もあり一種のパニック状態になっております。
今後、近隣諸国や当国で発生の報告が出る可能性は十分にありますが、正確な情報を持って、冷静に対応して下さい。
予防手段としては通常の風邪の予防と同じく、手洗いとうがいが有効です。
関連リンク:
外務省 海外安全ホームページ(感染症関連情報)
厚生労働省
国立感染症研究所
WHO(日本語)
労働者健康福祉機構 海外勤務健康管理センター
「海外派遣企業での新型インフルエンザ対策ガイドライン」
鳥インフルエンザにつきまして(第1報)