日本美術技術博物館及びポーランド日本情報工科大学の設立30周年
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宮島大使のご挨拶

本年は、我が国と特別のかかわりがある日本美術技術博物館(MANGGHA館)とポーランド日本情報工科大学が共に設立30周年を迎える記念すべき年です。この喜ばしい機会に、これまで両機関を支えてこられたポーランドと日本の全ての皆様に心よりお祝い申し上げます。
古都クラクフのヴァヴェル城の対岸に位置するMANGGHA館は、浮世絵を中心とする素晴らしい日本の美術・工芸品や最先端の日本の技術を展示するとともに、日本関連の様々な企画や催しを開催し、来訪者を魅了してきました。MANGGHA館の設立は、故アンジェイ・ワイダ監督が青年の時にフェリクス・ヤシェンスキ氏の収集した日本美術品に出会って強い感銘を受け、1987年自らが稲盛財団の「京都賞」を受賞した際に、クリスティーナ・ザフファトヴィチ夫人と共に、その賞金全額をヤシェンスキ収集品美術館設立のために使うことを決意したことによって始めました。ワイダ監督夫妻の夢と熱意は、ポーランド、日本両国の市井の人々から著名人にまで広がり、多くの支援と多額の寄付が集まりました。MANGGHA館は、1994年11月30日にワレサ大統領や高円宮同妃両殿下のご臨席を得て開館され、その後、2002年に天皇皇后両陛下、2013年及び14年に安倍総理夫人、2015年に高円宮妃殿下、2019年に秋篠宮皇嗣同妃両殿下がご訪問されています。これは、日本におけるこの博物館に対する高い関心と敬意を示すものです。ヤシェンスキ氏、ワイダ監督夫妻、そしてMANGGHA館を支えてきた多くのポーランドと日本の方々の情熱は、日・ポーランドの友情の確かな絆となりました。改めて、故ワイダ監督、クリスティーナ夫人を始めとするポーランドの友人たちによる献身と尽力に対し心より感謝を申し上げます。
ポーランド日本情報工科大学は、1994年に日本政府の協力の下で、情報技術がポーランドの将来の発展の鍵を握るという信念に基づいて設立されました。この設立目的は正しく、同大学が輩出する多くの卒業生はポーランドの経済成長を支える貴重な人材として活躍しています。同大学は、日本政府の支援が終わってからも、2007年に附属高校を設立し、大学に日本文化学部を新設するなど、教育の規模・質を着実に発展させています。一方で、日本の大学、財団、企業等とも連携も深め、「日本」を名前に冠する大学にふさわしく我が国との関係を引き続き重視されています。さらには、ウクライナの学生を多く受け入れるとともに、2023年にウクライナ避難民の就職促進・生活安定のやめのITスキル・パイロット研修をJICAと教職協力して行うなど、その活動の視野はポーランド国内にとどまりません。同大学にも、2019年に秋篠宮皇嗣同妃両殿下が訪問されており、最近においても上川外務大臣(当時)を始めとする閣僚、国会議員等が多く訪問しています。ポーランド日本情報工科大学は、体制転換後のポーランドの成長の歴史を体現し、リードしている高等教育機関です。イエジ・パヴェウ・ノヴァツキ学長を始めとする大学関係者、これまで同大学を支えてきたポーランドと日本の全ての関係者の皆様による献身と尽力に対し心よりの敬意と感謝の意を表します。
この記念すべき30周年に際して、日・ポーランドの友情をシンボルである両機関の一層の発展を願ってやみません。
Japonia i Polska – dwa kraje kwitnącej przyjaźni.(日本とポーランド - 友情の花咲く二つの国。)